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執筆者の写真ishmojiko

異国の路地にあるような


2012年頃だったか、BS朝日で放映された

「ヨーロッパ路地裏紀行」という番組を皆さんご存知でしょうか?



『化粧をした表通りに、真実はない。人生のすべては、路地裏にある』



という謳い文句で世界の様々な都市にある路地の一本に焦点をあて、そこに暮らす人々の日々をドキュメントした番組。



斉藤由貴さんの優しいナレーションとともに、そこに生きる人々の息づかいを丁寧に伝えるたおやかな番組構成は、視聴する人々をいつしかその土地へといざない、本編を見終わる頃には心がゆったりと満たされる、そんな贅沢な番組でした。

(今の世の中、こういった紀行番組は制作がなかなか難しくなりましたね…涙)



当時番組をふと目にしてからというもの、録画しては何度も何度も繰り返し視聴するほど、どっぷりとその魅力にハマってしまった私。


番組に取り上げられるお店のどれもがとっても素敵で「いいな〜こんな感じのお店」とうっとりしながら画面を食い入るように見ていた私が、まさかその数年後ここ門司港の地に自分のお店を持つことになろうとは、、人生とはなんとも面白いものです。



2015年の夏、前職を辞めお店を作ることを決め、ビルの2階の小さなスペースで表現しようとしたのは「どこか異国の路地裏にあるような小さなお店」。

最初から一切の迷いなく、路面店となった今でも全く変わらない私の中の「好き」をかたちにしていく空間づくり。


今思えば、番組を視聴する中でお店づくりの疑似体験をさせてもらっていたかのような、そんな気がします。




時折ご来店のお客様には

「このお店だけ異空間にいるみたい」

「外を見れば、日本でしたね(笑)」

といったご感想をお聞かせいただくことがあり、その度に嬉しい想い。




小さな ishのお店。

狭さゆえに表現できることは限りもありますが、この限りあるスペースでしか作れない世界はきっとある‥そう信じています。



門司港という異国情緒溢れる大人な街。

この街が刻むゆったりとした時の歩みにゆっくりと歩幅を合わせながら、じんわり溶け込んでいくようなお店づくりができたらいいなと願っています。





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